久しぶりの本レビューです(今年初かな?)
実はこの本、大病して入院していた際にお見舞いでいただいたモノだったりします。
当時、あまりの身体のしんどさで日々寝るだけしかできず、本を開いてみたものの読む体力がまったくなかったのを覚えています。
そのまま開くことなく数年が過ぎたという状態。
本好きということを知っていて、わざわざ選んでくれたのであろうことは重々分かっていたんですが…申し訳ないことをしたと今でも思っています。
同タイトルでアニメ化
実はアニメ化されたことを本屋の文庫本コーナーで知ることとなったわけです。
「そういえば家に本があったはず…連休中に読み切ってみるか」
というのが最初の動機。
ラノベや漫画からのアニメ化はよくあるパターンですよね。
でも、原作が小説からってなると、その数は減ってくる。
そういう意味では、三浦しをん さんの作品と言えば「舟を編む」も有名ですよね(*’ω’*)
まだ読んだことがないのですが、いずれ手に取ってみたいと思っている作品だったりします。
また「まほろ駅前」などでもそうでしたが、作品共通点としては登場人物がちゃんとキャラクターとして立っている印象。
そして読みやすく作品世界に引きずり込むのが上手な文章を書く方だなぁと思っています。
好きな作家さんのひとりですね(*’ω’*)
題材は箱根駅伝
正月の恒例行事(?)といっていい駅伝。
各大学がタスキに思いを込めつないでいく姿、圧倒的な走力をみせごぼう抜きしていくエースの走り、過酷な山登りでの戦い…などなど、場面場面をあげると枚挙に暇がない伝統のレース。
その舞台に立つためにより集めただけのようなメンバーが挑む1年間。
それぞれの思いがあり、それぞれに事情があり、陸上経験者も未経験者もオタク(?)もひとつの目標に向かって収束し、共に歩んでいくという物語。
題材からして感動ものになるんだろうという予測はつくのですが、それでも物語終盤の心情描写と加速感はページをめくる手がとまらなくなるタイプの面白さをもっています。
少々うまく行きすぎる感じは否めないですが、読後感のさわやかな青春ストーリでした。
場面場面が印象的に描かれているので、取り上げるとネタバレになりかねないのですが、個人的にはキングの気持ちが痛すぎるほどよくわかって辛かったですw
主要メンバー10人、それぞれの想いのどこかに共感する場所があると思います。
その辺りを意識して読み返してみたりすると、さらに面白いですよ。
裏表紙から
箱根駅伝を走りたい――そんな灰二の思いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ? 十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく……風を感じて、走れ! 「速く」ではなく「強く」――純度100パーセントの疾走青春小説。