色見本というと、一般的にはそう縁のないものじゃないでしょうか?
むしろピンとこないぐらいかもw
そして、帯をみると…今日子さん、誘拐されてるし。
果たしてどういう風に色見本とつながってくるのか、、、色見本って大辞林によると
布地、用紙、塗料など、種々の色を集め、整理して作った色の見本。
ということでした。
これと今日子さんとを重ねると…やっぱり服の色なのか? なんて予測してみたり。
ちなみに掟上今日子とは?
掟上今日子シリーズを知らない人に説明すると、、、
- 25歳なのに総白髪という女性である
- さらに、探偵業をしているのだが、一度寝てしまうと記憶がリセットされる特異体質
- その名も「忘却探偵」
- ただし、それは7、8年前からで、それ以前の記憶はあるらしい
- 腕にはマジックで名前、年齢、職業などの備忘録が書いてある
- ということは名前や年齢は詐称なのか? なんて思ったり
- 一度着た服は二度と着ないというファッションへのこだわりがある
- ものすごいお金にシビアないわゆる「守銭奴」である
- 記憶がリセットされるが故に、最新の情報や機械などは苦手
という感じ。
この特徴と色見本との組み合わせとなれば…やっぱりファッションなんだろうと誰もが思うところですよね。
はたして犯人は?
ミステリの流れとして、犯人がそのストーリーを語る場合、色々とオープンになっていない状態から進んだりしますよね。
今回の色見本もそのパターンで、誘拐に至る流れは説明されているんですが…犯人の人となりはなんとなくボンヤリ。
もちろん読み進めていくと判明してくるわけで、ちょっとしたミスリードっぽい部分があったり、「あー、なるほどね」と感心させられるところがあったり。
犯人と今日子さんの探り合いな部分も読み進めていくとニヤニヤしてしまうこと請け合い(そもそも、言葉遊びが激しい作家さんなので文章だけでもニヤニヤしちゃうんですけどねw)。
そして、今回は誘拐された今日子さんを助けるべく動く人物、親切守がもうひとりの主人公。
ま、とある事件で今日子さんと縁ができ、いつの間にやら置手紙探偵事務所の唯一の従業員となった警備員なんですけどね。そんな彼が色々と頭をフル回転させながら誘拐犯と対峙していく姿はなかなか様になっていまして。
というわけで、今回は犯人と従業員がメインであって、今日子さんは添え物ぐらいのポジション。でも、読み終えるとこれがしっかりとキャラが出てるんだから、まあ、つくづく西尾維新さんが書く物語はすげーなーと思ってしまうわけで。
今回もしっかりと楽しませていただきました。
- はたして犯人は一体誰なのか?
- 色見本がどうやってかかわってくるのか?
- いやいや、親切さん鋭すぎじゃね?
なんて感じです。あと、ちょこっと厄介くんが出てきたりします。あの人、相変わらずなんですねw
帯の裏部分から引用
「掟上今日子は預かった。返して欲しければ、十億円用意しろ」
置手紙探偵事務所唯一の従業員・親切守が受けた、突然の脅迫電話。天涯孤独の忘却探偵を救い出せるのは自分だけ。今日子さんのような推理力はもたないけれど、彼には今日子さんとの「記憶」がある。手探りで操作を開始する守。一方、今日子さんは犯人のもとで目を覚まして――?
置手紙探偵事務所VS.漆黒の誘拐犯! 頭脳戦の結末は?