まあ、いろいろと考えつくのが作者なのか編集者なのか。スペシャル両面カバーとかいう「遊び心」、嫌いじゃないですw
タイトルも「掟上今日子の裏表紙」という意味深なものでしたし、帯にはデカデカと「容疑者」の文字。もはや探偵ですらないじゃないですか。
といった疑問をもちつつ、今作も楽しませていただきました。
しかし、なるべくネタバレしないようにレビューを書くっていうのは、結構難しいものですね。そういう意味ではあと書き部分に苦労するという理由がわからなくもないです。先にそこを読む人も結構いますもんね。魅力を伝えつつ、、、興味をひきつつ、、、簡潔にまとめる。なかなか大変です。
厄介と今日子さんのいったりきたり?
事件現場で凶器を握りしめて眠っている今日子さん。で、逮捕されてしまうわけですが、いつものことながら寝てしまっているので記憶がない…。そこからの逆転劇はあるのか?(まあ、無いというオチはさすがに、ねw)
で、このシリーズでは忘却探偵の常連顧客であり、相棒にもなりつつある裏の主役「隠館厄介」。今作では、容疑者として捕まっている今日子さんを救うべく彼が奔走するんですが、まあ、そこは読んでのお楽しみ。刑事さんとの掛け合いも楽しかったですね。
さて、物語の展開(文章の進み方)が、今日子さんメイン(つまり、警察署内でのすったもんだ)と、厄介メインというのが交互に(時には同じ章内で)進んでいく形なんです。犯人と警察だったりするパターンはいくつか読んだことがありますが(東野圭吾さんの作品とか)、こういう流れ方も結構好きなんですよね。
というか、次が気になって止まらなくなるw
相変わらず、一度寝てしまうとリセットされてしまう忘却探偵なので、時間の流れは1日以内で完了する最速っぷり。そしていつもの決め台詞にいったっては、もはやメタ的な感じに書かれていて、思わずニヤリとしてしまいました。実は、本当は全部覚えてるんじゃね? なんてうがった見方もしてみたり。
こういうシリーズものは、定型が出来上がってきてしまうと飽きてくることが多いんですが、まだまだ楽しめますね。すごいことです。次回作も楽しみ。
帯の裏部分から引用
「犯人は私ですね、間違いなく」
事件現場は、ある屋敷の密室――遺体の隣で血まみれの凶器を握りしめて眠っているのを発見されたのはあろうことか、忘却探偵こと掟上今日子だった。
しかし逮捕された彼女は、すでに事件の記憶を失っていて……?