【本レビュー】掟上今日子の旅行記 西尾維新

掟上今日子の旅行記

レビューするまでもない、人気作家の人気シリーズの第8弾。帯の部分に「初めまして。怪盗の掟上今日子です。」なんてあるものだから、ついに探偵業じゃないシリーズになるのかと一瞬思っちゃったりしましたが、ま、そこはそれ。中身には触れずにおかないとですよね。

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シリーズ初の海外が舞台の今作

さて、今作は一冊でひとつの物語になっていて、シリーズの準主役というか語り部というか厄介くんとのコンビでのストーリー。刑事とのやりとりもいいのですが、やっぱりこのふたりで展開される会話とかが楽しいですね。冤罪体質と忘却探偵の活躍する舞台はパリ。って、寝てしまうと記憶を失う今日子さんが海外にいって大丈夫なの? というか、そもそも海外渡航ができるのかという疑問もあるのですが、それもネタバレになってしまうので本編でお楽しみくださいませ。

怪盗になっちゃう今日子さん?

一度寝てしまうとその日の記憶が失われてしまう忘却探偵。自分が何者なのか、その判断の頼みの綱は自分の身体に書いてある備忘録だったりします。そして、今回はその備忘録に怪盗の挑戦状(の写し)が刻まれています。もちろん、探偵としてパリに乗り込んできた今日子さん。それを目撃するのが冤罪体質の厄介くん。今回は退職金かわりにもらった航空券(パリ行き)で訪れたのだが、偶然にも今日子さんを目撃するわけです。なんだか都合のいい展開ですよねぇ(ニヤニヤ)。さて、そんな今日子さんが自分を怪盗だと思い込んでしまうようになります。そして、狙う獲物はフランスの象徴。はたして、結末はどうなっていくのか? 思わぬ展開もあり最後まで楽しめるエンタメ作品でした。

帯の裏部分から引用

「エッフェル塔をいただきに参上致します――怪盗淑女」
不穏な犯行予告を阻止するために、パリに招かれた忘却探偵の掟上今日子。
しかし怪盗の真のたくらみは、今日子さん自身にエッフェル塔を盗み出させることで……!?

奪われた記憶と華麗なる罠。助手役を担う隠館厄介は、怪盗の魔手から今日子さんを救えるのか? 名探偵VS.怪盗のタイムリミット・ミステリー!

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